★連載「テレビ情報誌は生き残れるか?」(3)「TVガイド」創刊から「ザテレビジョン」創刊前夜まで

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19608月、日本初の週刊テレビ情報誌「週刊テレビ時代」(旺文社)休刊から2年経った196283日(金曜日)、「週刊TVガイド」(東京ニュース通信社)が創刊された。関東版のみ、全112ページ、定価30円。表紙は高橋圭三だった。


創刊から70年代前半までは、女性週刊誌を意識してか、表紙には刺激的な見出しが躍ることが多かった。「翻案ドラマのウソッパチを暴く」「テレビ料理はなぜまずいのか?」「異常なファン 止めなさい!!カミソリ手紙や集団リンチ」など。


 


19748月、共同通信社からライバル誌「週刊テレビファン」が創刊。A5判のTVガイドを一回り大きくしたB5判で、創刊号の表紙は、田中かぐえが描くイラストだった。


巻頭カラーグラビアは「わたしの秋」と題し、浅丘ルリ子萩原健一らを特写。続くモノクログラビアは、「9月のテレビ劇映画」という映画解説。「中村敦夫のキューバ・レポート」という番組連動の連載も。


 


特集は「『奥さまショーうら表』青木雨彦 いじわるリポート」。各局の朝に放送されているワイド番組についてリポート。テレビ離れが進む主婦層を取り戻すのに必死、という内容。「創刊記念特別座談会」では、大島渚サトウサンペイ犬養智子が大いに語る。大島「テレビは先駆者じゃない」サトウ「テレビは結局遅れている。後進的」という現代につながる発言も。


 


テレビ番組表には、当時東京地区でUHFの試験放送をしていた「NHK-UHF14チャンネル(放送時間6:0023:00)も掲載。この試験局は1970年から75年まで放送されていた。朝、昼は総合テレビと同時放送、夜は教育テレビの番組や、朝ドラの再放送も流していた。平日、東京12チャンネル(現・テレビ東京)やTVKテレビ(現・tvk)は、朝10時台から放送を開始していた。


 


巻末の「TV fan創刊にあたって」では、「一人でも多くの視聴者の方々に、賢明なチャンネル選びをする“テレビ・ファン”になっていただきたい―それが本誌創刊の意図です」と石巻良之編集長。芸能情報中心の「週刊TVガイド」に比べ、番組解説に重点を置いていた。


 


その後「週刊テレビファン」は、発行元を「東京ポスト」に変更し、19767月には「週刊テレビ番組」と改題。1982年の「ザテレビジョン」(角川書店)「テレパル」(小学館)というライバル誌の創刊、翌1983には元「週刊テレビ番組」編集者によって作られた「週刊テレビライフ」(学研)創刊などを経て、地味ながら番組解説中心の内容で19979月まで続いた。


 


1962年の「週刊TVガイド」創刊から、1982年の「ザテレビジョン」「テレパル」創刊までの20年間にも、「週刊テレビ番組」のほかに、何誌かテレビ情報誌が存在した(詳細は未確認)が、いずれも短命に終わったそうだ。


1981年暮れには、朝日新聞社の「週刊朝日」別冊テレビ番組表や「テレパル」テスト版が発売され、翌1982年、「週刊TVガイド」から、編集者を20数名大量に引き抜いた角川書店が「ザテレビジョン」を創刊。表紙は薬師丸ひろ子伊武雅刀CMキャラクターに使い「角川映画」並の大宣伝を仕掛け「テレビ情報誌戦争」の火蓋が切られた。


 


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次回は319日の予定です。

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