★読売、朝日に続き毎日も「新聞の定価販売を守れ」という主張を掲載…産経はどう出る?

今朝の毎日新聞社説「特殊指定見直し 国民の利益につながらない」並びに中面での見開き特集で、公正取引委員会が新聞などの「特殊指定」見直し、について反論している。

先陣を切った読売、続いた朝日に次いでの新聞業界からの反論。特殊指定から外れると、再販制度も崩壊し価格競争が起き、宅配制度廃止につながる、新聞に市場主義はなじまない、と他紙と同じ論調。

特集では、震災の被災地にも新聞が届けられた、など宅配の必要性を説く内容がメイン。「Q&A」では、配達にコストがかかる地域は値上げしてもよいのではないか、という問いに、情報格差が出来るのはよくない、と。拡張団などが不当な販売をしているではないか、という問いには、なくすために努力している、というような回答。販売店が抱える問題(「押し紙」など)には触れていない。

同じ再販商品でも、出版物と新聞は違う、という主張も。新聞は、1時間単位で内容が劣化するナマモノであり、読者にいち早く届けるのが使命、というようなことが書いてあったが、これはインターネットが普及していない頃の話。この特集は、ネットを見ない高齢者層に向けて書いた記事なのだろう。

産経新聞が始めた、当日の産経紙面をネットでそのままの形(一部の広告などは削除)で読める「産経Net View」が好評、という話もある。月額315円で、紙の新聞の補完として、ニュースの動画が見られたりする。私も加入しているが、今日の紙面では、東大寺のお水取りの動画や、紙では未掲載の、次世代新幹線の車内を撮影した写真などが掲載されている。これで315円は安い。紙の新聞は、月ぎめ2950円である。

ただ、新聞紙面そのままなので、モニターで長時間見るのはつらい感じ。紙面そのままより、ネット用の紙面を構築して欲しい感じだが、あくまでも「紙の新聞の補完」なので仕方ない。紙面からこぼれた記事も、掲載して貰えればなおいいのですが。

宅配の紙の新聞も、スーパーなどの「チラシ」目的で購読している読者が多い。しかし、チラシと同じく新聞折込中心だった自治体の広報なども、新聞不読世帯が増えたためか、最近はポスティング業者に頼んでいる自治体もある。今後はスーパーのチラシなども、ポスティング業者が配達するようになるのでは。

宅配がなくなると困る、という読者は多いが、「定価撤廃」については、以前のアンケートで「長期購読者には割引を」という声が多かった、という事実もある。新聞も「家庭の必需品」ではなく「嗜好品」に変化しており、自分に合わないものは読まない。紙面とは関係ない景品で釣る時代は終わった。

「宅配制度を守れ」にすりかえられている「定価維持」に固執するよりも、現在の「紙の新聞」同様の読みやすさを実現し、検索性も優れたネット新聞を開発するほうが、ネット時代での新聞の生き残る道ではないか、と思う。

毎日新聞社説:特殊指定見直し 国民の利益につながらない
http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/shasetsu/news/20060302k0000m070151000c.html

2006年02月23日★新聞の「定価販売」が崩壊する日
http://tvmania.livedoor.biz/archives/50386744.html

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