★中川家礼二「笑う鉄道」ほか鉄道ブックレビュー

中川家礼二責任編集長『笑う鉄道』関西私鉄読本
発行日:2008年5月20日 ヨシモトブックス・ワニブックス
京阪電鉄沿線に住んでいた「責任編集長・中川家礼二」が案内する、関西5大私鉄読本。
関西の5大私鉄(京阪・近鉄・阪神・南海・阪急)を紹介しているが、表紙の写真からして京阪に多くのページが割かれている。
各電鉄会社の扉のページで、たとえば「京阪電鉄」ではなく「京阪電車」と表記されているのが関西風でよい。
鉄道マニア向けではないので、鉄道豆知識の本、として気軽に読める。
南海電車」の項で紹介されている「浜寺公園駅」。住所が「大阪府堺市西区浜寺公園町2丁目」とあるが誤り。堺市の住所は「○丁目」ではなく「○丁」で、「目」はつかない。
礼二と、3月で引退した鉄道アイドル豊岡真澄、ホリプロの鉄道好きマネージャー南田裕介の対談も。「阪急電車は男性週刊誌の中吊り広告は原則的に禁止」などの情報は興味深い。


私鉄の廃線跡を歩く 3 北陸・上越・近畿編―この50年間に廃止された全私鉄の現役時代と廃線跡を訪ねて (3) (JTBキャンブックス)
発行日:2008年5月1日 JTBパブリッシング
寺田裕一著「私鉄の廃線跡を歩く」シリーズ第3弾。
完結した「鉄道廃線跡を歩く」(宮脇俊三監修)の最新版、という感じ。「鉄道廃線跡を歩く」の刊行については、私も過去にほんの少し協力しています。
本書は関西の廃止路線が多く取り上げられており、子供のころ乗った路線の現状が紹介されていて興味深い。野上電気鉄道の「悲惨な終焉」が印象的。


ホリプロ鉄道オタクマネージャーの鉄ちゃん
発行日:2008年4月10日 ゴマブックス
鉄道オタクで知られるホリプロマネージャー・南田裕介の著書。実際に執筆、構成しているのは関根弘康。子供のころ奈良に住んでいた南田。当時の関西の鉄道事情など。「南田妄想鉄道」の項は、鉄ヲタなら理解できるが、一般人は引く内容。
「ぐるり紀伊半島一周」の項で、三重県の「松阪」がすべて「松坂」になっており、校正ミスとは思うが、よくある間違いなので、気をつけて欲しかった。


鉄道地図は謎だらけ (光文社新書 344)
発行日:2008年3月20日 光文社新書
著者は、鉄道関連の文筆業・所澤秀樹。鉄道地図に見る、線路の形状にこだわった内容。


鉄道員裏物語―現役鉄道員が明かす鉄道の謎
発行日:2008年2月15日 彩図社
著者は、関東の大手私鉄に勤務する現役鉄道マン・大井良。生々しい鉄道自殺の実態リポート、現場から見た「女性専用車両」批判、古き良き時代の職場の様子など。
駅の改札口に、人気AV女優だった桜樹ルイが「犬を乗せたいので切符が欲しい」と訪れ、人柄に感動した話は興味深い。著者が勤務する鉄道沿線のストリップ劇場に、桜樹が出演していたころ。鉄道は京浜急行か?


ローカル線ガールズ
発行日:2008年1月19日 メディアファクトリー
著者は、福井県第三セクター鉄道「えちぜん鉄道」のアテンダント・嶋田郁美。実際の執筆と構成は中島和代。
事故が相次ぎ廃線になった私鉄・京福電鉄が、女性アテンダントを導入した「えちぜん鉄道」に生まれ変わり、「鉄道復権」の意気が伝わる内容。
えちぜん鉄道は「ガイアの夜明け」(テレビ東京)や、きのう5月9日オンエアのNHK「いよっ日本一!」でも紹介されたユニークな鉄道。乗客第一、の経営方針が素晴らしい。
えちぜん鉄道のアテンダントは、当初は派遣扱いだったが、現在は全員正社員、とのこと。鉄道会社の女性アテンダントといえば、JR東日本にも「グリーンアテンダント」が存在するが、こちらは3年間の契約社員で、契約が終われば退職。正社員登用制度もあるが厳しい。

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