★読書記録…「週刊アサヒ芸能」「噂の真相」「文化放送報道部」の裏側

最近購入した書籍の記録

●食品の裏側―みんな大好きな食品添加物
安部 司 (著) 東洋経済新報社
▽元・食品添加物のセールスマンである著者が、類似本にあるような、食品添加物の危険性を説くだけでなく、食品添加物とどう付き合っていくか、を述べた本。ミルク代わりに使われている「コーヒーフレッシュ」の正体は「植物油と食品添加物」、など、食品添加物の裏側もわかる。

●実録・老舗百貨店凋落 〈流通業界再編の光と影〉講談社文庫
北海道新聞取材班 (著)  講談社
▽北海道以外には馴染みがないが、道内の老舗百貨店である「丸井今井」(まるい)が、伊勢丹傘下になる、という北海道新聞(道新)のスクープを受けて、まるいの再生していく様子が克明に描かれている。全国紙にスクープを抜かれないように頑張る道新記者の姿勢も興味深い。

●三流週刊誌編集部-アサヒ芸能と徳間康快の思い出
佐々木 崇夫 (著) バジリコ
▽アサヒ芸能出版社(その後徳間書店に吸収)に入社した著者が、週刊誌「週刊アサヒ芸能」編集部で体験した数奇な出来事を、軽妙な文体で綴る。「売れない女性歌手M・Oに群がる悪徳“芸能紳士”」では、当時「ヤングレディ」(講談社)にいた梨元勝(本書では匿名)が、著者がまとめた“悪徳紳士相関図”に実名は出さないで、と懇願した、というエピソードも。アサ芸の歴史と、徳間康快の人物評伝が同時に楽しめる好著。

●編集長を出せ!―『噂の真相』クレーム対応の舞台裏― ソフトバンク新書
岡留 安則 (著)  ソフトバンククリエイティブ

▽「噂の真相」編集長の岡留が、ウワシン編集の裏側を記す。本多勝一宅八郎の件など、既出の話も多いが、過去の協力者だった日刊ゲンダイ二木啓孝(本書ではFと表記)との決別の話が興味深い。「日本一のブラックジャーナリストになる」と公言している二木は、昔から女癖が悪く、表沙汰になった話以外にも、五、六人の女性がいるそうだ。
「大切なことなのは“ヒット&アウェイの精神。どんな人間にも感情というものはあり、たとえ、書かれたことが事実であっても、批判が正当なものであっても、あまりにもしつこく記事を書かれたら、どんな人間でも『頭にくる!』となるのは当然だろう」という主張は、同じ相手をブログでしつこく攻撃しているブロガーにも当てはまるだろう、か。

●ラジオ記者、走る 新潮新書
清水 克彦 (著) 新潮社

▽ラジオ局・文化放送の報道記者でありプロデューサーの著者が、ラジオのニュース報道の現場を克明にリポート。ラジオの聴取率調査について「有名人をゲストに迎え、プレゼントの大盤振る舞いをしても、数字は微動だにしないケースが多い」と記述されているのが興味深い。ラジオの「スペシャルウィーク」(聴取率調査週間)のバカ騒ぎは、全く不毛の戦いであるのだ。

●大阪弁「ほんまもん」講座 新潮新書
札埜 和男 (著) 新潮社

▽大阪生まれ、高校教諭の著者が「もうかりまっか」「がめつい」「おけいはん」などの言葉は“にせもん(偽物)の大阪弁”と喝破。本来は薄味文化の大阪が「こてこて」と言われているのは、京都や兵庫の「濃厚な食文化」(京都ラーメン、トンカツソース)の“濃厚なイメージ”の部分を大阪が引き受けている、とのこと。大阪で駐車場を「モータープール」と呼ぶのは、進駐軍の言葉から来ている、という由来も。

●テツはこう乗る 鉄ちゃん気分の鉄道旅 光文社新書
野田 隆 (著) 光文社

▽鉄道ファン(テツ)である高校教師で旅行作家の著者が、“鉄ちゃん”から見た鉄道の楽しさを語る。“テツ”は何を考えながら鉄道を楽しんでいるのかがよくわかる。「テツはこう乗っている 海外編」では、日本国内に関心が強すぎ、「オリエント急行の客車は小汚い」などと言う心が狭いテツに提言。「テツは国内限定にならないほうが女性にはモテるし、話題も広がり、垢抜けた感じになり、こころ豊かになってよいと思う」。その通り。

©★てれびまにあ。2003-2013