★週刊現代「週刊誌をパクる新聞、テレビよ 恥を知れ!」…ネットをパクる週刊誌はいいのか?

きょう発売週刊現代「週刊誌をパクる新聞、テレビよ 恥を知れ!」より。

「本誌は『加護亜依』記事をアップした『ネット』を刑事告訴しました」
週刊現代のスクープ記事”加護亜依温泉喫煙旅行”を「発売2日前の昼にアップしたサイト」の写真。加護が所属していた「ハロー!プロジェクト」のファンサイト。
ネットの著作権問題に詳しい山下幸夫弁護士のコメント。ネット上では、当たり前のように各メディアの記事を自分のブログやホームページにコピーし、コメントを付けている、これは引用を越えた著作権法違反、と語る。
「本誌は、このサイトに誌面の画像を提供した氏名不詳の人物を刑事告訴することにした。メディアのモラルハザードが、ネット社会を背景にして一般にも拡大してきたのか」

過去に新聞、テレビに記事をパクられたことを憤る、週刊新潮編集長、週刊文春次長、週刊女性編集長のコメント。新聞やテレビは、週刊誌のネタを「一部報道によると〜」とごまかし、スポニチに至っては「独自の記事である」と主張する始末。
週刊現代の「東国原知事宅に女性宿泊」記事を、現代の許可なく誌面をテレビ画面に映したTBS「イブニングニュース」フジ「スーパータイム」に厳重抗議。フジは謝罪したが、TBSは「問題ない」と回答。

「メディアは、国民の信頼によって成り立ち、第四の権力と言われるほどの影響力を持つ。報道のモラル遵守は最低限の条件だ。『一部週刊誌が報じた』ではなく、正確に引用元を明示するのが、報道機関の責務である。本誌は、心ないメディアの”カンニング行為”をけっして許さない」

以上記事の要約。以下疑問点など。

●「加護亜依喫煙記事」について
講談社並びに加護を撮影した契約カメラマンが「著作権侵害」で「名無しさん」を告訴。
雑誌発売日前に、タダで読めるネットに記事がアップされたら死活問題。それは理解できるが、「盗撮写真」について著作権を主張するのはいかがなものか?

●週刊誌の記事を平気でパクる新聞、テレビについて
独自にニュースを取材しない新聞の取材力低下は情けないが、そんな新聞には読者離れも進んでいるので自業自得。テレビは雑誌を元に番組を制作するのは今や”日常業務”。パクられ側が糾弾するしかないがもうどうしようもない。

●パクられ側の週刊誌にも問題がある
▽「月曜日発売」なので土曜日に漏れてしまう
月曜日発売の週刊誌が、2日前の土曜日に内容が漏れてしまうのは流通上仕方ない。土曜日の入荷直後から発売する書店、スタンドも少なくなったが存在する。月曜から他の曜日に発売日を変更する以外無理。

▽「月曜日発売」だが地方では火曜、水曜になってしまう
速報性が重視される週刊誌だが、流通上、いまだに北海道や九州などでは2日遅れになってしまう。「東国原知事」もテレビで「宮崎で週刊現代が売っていないので現物を見ていない」と言っていたが、地方はトラックから空路に変更し(多少値段を上げても)全国同時発売にすべきでは?女性週刊誌やテレビ情報誌などでは、地方向けは締め切りを早めて刷り、早めに配送している。「皇室報道」が盛んなころ、女性週刊誌は関東近県だけ内容差し替え、というケースもあった。

▽週刊誌の記事のパクリで構成している「日刊ゲンダイ」はいいのか?
週刊誌の発売日の発行号で、週刊誌記事の概要(というより”キモ”の部分)を掲載し、見出しにも打っているゲンダイはいいのか。講談社(週刊現代、フライデー)については原則として発売翌日以降、他社の雑誌については発売日当日に掲載。
先日のゲンダイで「TBSとテレ朝が経営統合」という記事があったが、独自取材ではなく、経済雑誌「ZAITEN」の記事をパクったもの。ゲンダイの記事には「ZAITEN」という文字は一切掲載されていない。週刊現代は、他社に文句を言う前に、身内の日刊ゲンダイに注意すべきでは?

▽ネットから 平気でパクる 週刊誌
週刊現代もそうだが、最近の週刊誌は、ネットからパクった記事が横行している。ネットを訴える資格があるのか疑問。Winnyでネットに流出した女性のプライベート写真を「流出は断じて許せない」と一応見出しを付けて、誌面に堂々と掲載する人権意識の欠如。モラルが問われているのは週刊誌も一緒では。

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